西原歯科医院

神戸市 の 歯科 西原歯科医院

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コラム記事

妊娠の可能性のある女性へ

先日、市民病院の産婦人科の先生のお話を聞いてきましたが、最近特に気になることとして、早産、低体重児出産が増えてきているそうです。
これは地球規模の問題ではなく、日本に限ったことだそうです。

我が神戸市でもようやく妊産婦の歯科検診を無料化(4月から)しました。
欧米先進国では妊娠が判った時点で、産婦人科医と歯科医が連携して口のケアにあたります。これはごく普通のことだそうです。妊娠初期の‘つわり’があると口に何も入らない状態になります。また、ホルモンバランスがくずれるために、妊娠性歯肉炎といった一時的な歯周病になることも多々あります。
それと最近はっきり解明されてきましたが、口の中の細菌が出す毒素によっていろいろな病気を引き起こすことです。前述した低体重児、早産、などが確認されています。
最近の乳児の救急医療の受け入れ態勢の悪化状況などもこういったことが関係しているのかもしれません。
と声を大にしていいたいことですが、妊娠の可能性のある女性の喫煙の問題です。
これは単に本人だけの問題だけではなく、まわりで喫煙している家族も同じです。たばこを吸うことにより胎児に有害物質を与え、末梢血管が収縮することで、あかちゃんに十分な酸素がいかなくなります。妊娠中のおかあさんがたばこを吸う事はあかちゃんの首を絞めていることと同じですよ。

 

最近のインプラントの傾向

インプラントも最近ではやっと認知されてきているようです。
一時のような‘あぶない’‘とんでもない手術’といった感覚はなくなりつつあります。

しかし、東洋人(モンゴロイド)は西洋人(アングロサクソン)に比べて骨の構造がぜんぜん違います。農耕文化と狩猟文化のちがいでしょうか。骨がないと最新のインプラントもお手上げです。なかなか骨はできませんし、せっかく作ってもすぐに吸収してしまいます。

インプラントを希望されてもなかなか期待に添えないことも多々あります。
よく女性の方で、骨そしょう症を心配される方がおられますが、年齢、性差はあまり関係ないようです。骨のある人にはたっぷりありますが、ない人はぜんぜんありません。骨細胞の再生技術が進めば一番いいのですが、まだまだ時間(年単位)がかかりそうです。

最近の傾向として、あまり大きな手術よりもできるだけコンパクトに、患者さんにダメージを与えないような方法に変わりつつあります。できるだけ短期間に、できるだけ小さな手術で、最大の効果を得るように変化してきています。

意外とインプラントの技術の進歩は速くて、勉強会や、講習会に参加するたびに変わっていることもあります。なかなかついていくのが大変ですが、頑張りますので‘こうご期待’です。

 

ひどい肩こりの原因は歯?

朝起きると首筋から肩にかけて、こわばったようになりひどい肩こりがとれない、朝は歯が浮いたようになっている、冷たい物がしみる。
この様な症状がある方は夜間に、「はぎしり」「くいしばり」をしている場合が多いですね。

本来睡眠中は体を安静に保ち休息の時間のはずですが、「歯ぎしり」などがあれば寝ている間も仕事をしているようなものです。
歯は基本的に食事以外の時に使うことはありません。また、歯は噛む力(縦の力)には抵抗力がありますが(「はぎしり」「くいしばり」などでは横に力がかかることが多い)横の力に対する抵抗力がありません。土にささった杭を抜くには上にひっぱるよりも横に力をかけているとだんだんと周りの土が広がってきて、しまいには抜けてしまいます。歯もまったく同じです。

なぜ、「はぎしり」「くいしばり」をするのでしょうか。
最近では「はぎしり」は口のまわりの筋肉や関節にたまったストレスを発散するために行うこととされています。ある程度はしかたないものですが、咬む力の強い方などは色々と悪いことも起こります。歯がかける、われる、歯がぐらぐらになる、歯周病が進行する、かぶせや詰め物がとれやすい等です。歯医者に行ってもすぐに悪くなる、なかなかよくならない、痛みが続くなど歯医者泣かせのこともよくあります。

「はぎしり」や「くいしばり」を完全になくしてしまう事は無理ですが、症状を軽くする方法はありますので、次回に詳しく説明します。

 

歯医者の仕事は?

患者さんが持つ歯医者のイメージは怖い、痛い、高い、時間がかかる、あまり行きたくない、などあまりいいイメージはありませんね。ほんとうに歯医者の仕事って役に立っているのかなと思うこともあります。

歯の役割はなんでしょうか。歯がなくなるとどうでしょうか。上下で歯の本数は28本ですが、1~2本抜けてもあまり関係ないでしょうか。

普段、何も考えずに、普通に食事ができて、普通に会話できる。これは健康な人ではあたりまえのことです。ただし、歯医者は普段はまったく反対の人に接しています。1本の歯が痛むだけで夜も眠れない、食事がぜんぜんできない、食べても鵜呑みで味がしない、ふだんあたりまえのようにできている食事が満足にできない。これほどストレスのかかることはありません。歯は噛んで食物を飲み込む働きだけをしているのでしょうか。

アメリカのアポロ計画で宇宙食ははみがきのチューブに入ったようなものでした。そのまま吸って飲み込めば食事ができ、カロリーも十分とれました。

ですが、
当時画期的とされたこの宇宙食もすぐに中止されました。なぜかというと長時間噛まないでいると精神的に不安定になり、物事に集中できなくなるそうです。そういったこともあって現在はレトルト食品になったそうです。

認知症のお年寄りできちんとした入歯が入ると少しずつ回復することもあるそうです。脳外科の専門家は口のまわりの咬む筋肉は脳に血液を運ぶポンプの様なものだと言っています。歯で直接味を感じることはありませんが、‘歯ごたえ’‘歯ざわり’という表現があるように食事の味を感じる、おいしくいただくための感覚器官のひとつです。

 

口の病気は何が原因?お口にペット?

歯科の病気の原因の多くは、口の中にもともと住んでいる悪玉菌のバランスが悪くなり、異常に増えることで起こることが多いです。

虫歯菌も歯周病の原因菌も口の中に常在細菌としてある程度必要です。口の中の細菌をすべて殺してしまうとカビ(カンジダなどの真菌)が生えてしまいます。水虫の原因もカビです。水虫はなかなかよくならないですよね。カビのほうがやっかいです。

しかし、あまり必要以上にバイ菌を増やすことも考えもんです。虫歯は虫歯菌にエサ(砂糖)をやることで異常繁殖します。もちろん、うんちもします。お家も作ります。歯周病も同じです。このうんちのことを菌体外毒素と表現します。特に酸素を嫌う菌の毒素が強いです。また、バイ菌が住みやすいようにマンションのような家も作ります。これはプラーク、とか、バイオフィルムなどと呼ばれて歯周病の原因となります。

薬剤でうがいをしてもマンションに雨がふるようなもので、中のバイ菌にはあまり影響しません。バイ菌のすみかを無くすには、ブラッシングで直接プラーク、バイオフィルムを取り除かなければなりません。痛みがなくても定期検診をして、バイオフィルムを取ることをお勧めします。知らないうちにお口の中に数十億匹ものバイ菌をペットにしているかもしれませんよ。

最近、口の中の細菌が原因の病気が指摘されています。肺炎や、心臓病、糖尿病、低体重児出産、ヨーロッパでは妊娠すると母親教室を産婦人科医と歯科医が連携してやるそうです。

 

歯周病セルフチェックシート

歯周病セルフチェックシート
① 歯と歯の間に物がはさまる
骨の支持が無くなってくると、咬む力に抵抗できなくなり、歯が動揺してしまいます。
その結果、繊維質の物や、お肉などが挟まってしまいます。
かぶせや、詰め物の不良補綴物によっても詰まることがあります。

② はみがきしても口臭がある
口臭の原因には、鼻疾患、胃腸病、糖尿病、などがありますが、ほとんどは、口の中の虫歯、腫れた歯ぐき、舌苔などにより発生します。

③ さわると歯がぐらぐらする
歯をささえている歯槽骨が歯周病により破壊されてしまうと、硬いものがかみにくくなります。

④ 歯茎にかゆみがある
歯茎に炎症がおこると、腫れがでてくるために、むずがゆくなります。
歯磨きをすると痛みがでる、などの症状がでてきます。

⑤ はぶらしをした時や、硬いものを食べると血が出る
歯茎が腫れてくるためで、歯磨きをした時にも出血することが多いです。
歯周病になっているかどうかの判定は出血があるかどうかで判断します。

⑥ 朝起きたときに口がねばねばする
歯周病菌は夜間に繁殖しますので、寝る前のはみがきが大切です。

⑦ はぐきが赤くなってきた。
炎症を起こしたはぐきは、赤くなります。健康なはぐきはうすいピンク色です。

バイオフィルム
最近、最も重要視されているものです。(以前はプラークと呼ばれていました)簡単に言いますと、バイキンのアパートのようなものです。
アパートですからバイキンがたくさん住んでいます。
アパートの中に入ってしまうと薬も効きません。また、バイキンが住んでいますから、生ゴミがたくさん出ます。人間のように回収しに来ませんので、貯まる一方です。
このばいきんの出す生ゴミは、菌体外毒素と呼ばれる非常に毒性のきついものです。
このアパートを取り壊さないかぎり、バイキンの数は減りません。

リスク因子
<歯周病を起こすリスク因子>
① 遺伝因子
最近の研究で、遺伝子異常により歯槽骨が異常に溶けてしまうことが分かってきました。
② 口の中の細菌数
細菌は0ではカビ(カンジダ)がはえてしまいますが、悪玉菌はできるだけ少ないほうが良いです。
③ 歯の形 歯並び
できるだけ綺麗な形で並んでいるほうが、はみがきしやすく磨き残しも少なくなります。
④ 歯ぎしり くいしばり
食事以外に歯槽骨に非常に大きなストレスをかけることになります。
⑤ 唾液の量
唾液のなかには、殺菌酵素が含まれているために、唾液が少ないと、バイキンの数を抑えることができません。
⑥ 喫煙
とにかく喫煙ほど有害なものはありません。1本でも吸うことにより害がでます。

治療方法
歯磨き
最も簡単で効果的な方法。‘磨いている’と、‘磨けている’に注意しましょう。また、歯ブラシだけでは約70%が限界です。歯間ブラシ、フロスなどを使いましょう。

PMTC
「プロフェツショナル メカニカル トゥース クリーニング」の略。
歯科医院で、機械を使用して歯の表面を研磨することです。
バイオフィルムがつきにくくなります。

歯石除去
バイオフィルムが硬く変質したもので、歯磨きだけでは除去できません。
機械で取るか、ノミのような道具で削りおとします。

メンテナンス
最終的にこれができているかどうかで、歯周病が治るかどうかが決まります。
症状により、年2~3回の定期的な通院が必要です。

 

かみしめにご用心 その1

朝起きたときにこんな症状はありませんか?

あごがだるい
肩がこる
首すじあたりにはった感じがする
歯が浮いたようで硬いものがかみにくい
冷たいものがしみる

これらの症状は夜間寝ている間にしている‘かみしめ’‘くいしばり’‘はぎしり’などで引き起こされることがあります。午前中に症状が発現し、夕方ぐらいになれば消失することが多いです。寝ている時のことですから、記憶にありませんが、ひどいはぎしりなどでは、音がしますので気付くことがあります。

なかなか治療で治すことは難しいですね。しかし食事以外の時に歯を使うことは歯にとってはものすごい負担となります。ちなみに日本人が1日に歯を使う時間は平均17~18分歯だそうです。寝ている間ですと何時間にもなります。歯がかけたり、割れたり、歯周病の原因となることもあり、きちんときれいに歯磨きができているのに、虫歯でもないのに歯が悪くなる。残念なことです。最近多いように思います。

歯医者に行ってもレントゲン検査をしても異常が見つからないことが多く、様子を見ましょうということになってしまいます。原因がなく歯が痛むこともありますので、これらの原因をすべて‘くいしばり’でかたづけてしまうのはあぶないことですが、ほとんどの場合口の中に変化がでていますので、かみ合わせを重要視している歯科医なら気付くはずです。

また、夜寝ているときだけではなく昼間にも同じようなことをしています。それはつねに歯をくっつけている、あるいは舌で歯をさわったりする‘くせ’があることです。何かに集中しているとき、たとえばパソコンの画面を見ているとき、テレビを見ているとき、新聞、雑誌を呼んでいるとき、車の運転をしているときなどにしていることが多いです。まずはこれらの‘くせ’がないか注意しておいてください。体、特に首から上の筋肉、関節にとってこの‘くせ’は非常に負担になります。通常ですと歯と歯の間に2~3ミリのすきまがあり、上下の歯はすいているのが普通です。歯をくっつけることでものすごいストレスがたまり、そのストレスを解消するために‘はぎしり’や‘かみしめ’を引き起こすと考えられています。

私は仕事がストレスで、はぎしりをしてしまう、といった人も、ストレス解消の温泉旅行に行ってもやっぱりはぎしりをしてしまいます。これは仕事のストレスもありますが、昼間の‘くせ’で考えると理解できると思います。以前では鎮静剤などの薬物、かみあわせが悪いということでの矯正治療、かぶせのやりかえ、などの治療がされましたが、最近ではマウスピースをはめる程度の治療になりました。しかし自院でも最初に‘くせ’に気付いていただき、自発的にこの‘くせ’をやめることで、ほとんどの人は改善されました。(自己暗示法)まずはこのような‘くせ’が自分にないか気をつけてみてください。

 

抜歯同時埋入インプラントについて

今までのインプラント手術では、まず原因歯を抜歯した後に傷口が治癒するまでの期間、1ヶ月~3ヶ月程度傷口が治るのを待ちます。完全に傷口が治癒し、十分に骨が治ったことを確認後に設計、手術となります。

最新の方法として、抜歯と同時に手術する方法が考案されました。これは歯を抜いた穴にインプラントを同時に埋入する方法です。この方法ですと手術回数が1回減ります。また、腫れや痛みも少ないようです。ただし、あまりにも骨の少ない場合や、抜く予定の歯の炎症がきつい場合には難しくなります。

今までは歯を抜いた後、何もせずに自然治癒を待っていましたが、これですと骨ができるかどうかはっきりしないため、場合によっては‘残念ですが骨ができませんでした’といったこともたびたびおこりました。そこで最近は抜くと同時に人工骨(カルシウム)と自己血液製剤を混ぜたものを入れます。これ方法ですとかなりの確率で骨ができます。その技術の応用で抜歯同時のインプラント手術が可能になりました。
まだまだ不明な点も多く、技術的にも難しいため、すべての症例にできるわけではありませんが、患者さんにとっても非常に楽な方法だと思います。

 

だまって座ればピタリと治る?

“どうされましたか?”
“きのうから歯が痛くて”
“むし歯ですねつめておきましょう”

歯科医院でのよく聞く会話です。
???これでほんとうに治ったのでしょうか。

ほんとうにむし歯の痛みを感じていたのでしょうか?むし歯の穴の大きさはどれくらいでしょうか?神経はだいじょうぶでしょうか?むし歯になった原因はなんでしょうか?歯周病も併発していないのでしょうか?つめものは金属でしょうか、プラスチックでしょうか?

普通これぐらいのことは考えます。ただし、そのことをどの程度情報として患者さんに伝えているでしょうか?歯医者は理解していてもなかなか患者さんには伝わらないものです。電気店でテレビを買うときに、どれでもいいですからテレビをください。と言って買い物する人はあまりいないと思います。店員さんに予算、大きさ、機能、などを聞き、選んで買っているはずです。

歯は一生使うものです。ほんとうに歯の健康を気にしているならば、応急処置が終わり、痛みが止まった時点で歯医者に治療方法の相談をしてみてください。一生自分の歯で食事ができることはすばらしいことです。最近、インプラント希望される患者さんも多いですが、骨の状態などですべてうまくできるわけでもありません。まして入れ歯はもっと噛めません。自分の歯を100%とした場合、インプラント70~80%、入れ歯30~40%ぐらいの感じではないでしょうか。少しでも自分の歯を残したいと思っているかたは、一度現時点の自分のお口の状態を確認して、将来どのようになって行くのかを相談し、定期的に受診することをお勧めします。

 

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なぜ歯科治療は料金が高いのか?

ときどき、治療費が5000円とか1万円近くになるときがあります。これはつめものや、かぶせが入ったり、入れ歯をはめた時の料金ですが一時高くなってしまいます。かぶせや、つめもののきんぞくは保険治療では使用する金属がJIS規格によって定められています。金とパラヂュウムと銀が主な成分です。金は12%しか入っていませんが、口の中に使う金属は貴金属です。そのため保険点数に金属代が含まれている分、一部負担金が高くなってしまいます。入れ歯も正式名は義歯で、義足、義眼、義手と同じものです。これらは製作するのに特別な技術を要しますので、高額になってしまいます。また、昔?ですと本人1割、家族3割、老人保健では1ヶ月で800円とか1000円で治療ができましたが、今では老人保健でも収入により、3割の負担の人もふえてきました。将来的には入れ歯や、かぶせを全部自費にするようです。3割負担が5割、7割になるようですね。

 

なぜ歯科治療は時間がかかるのか? その3

歯には神経があります。これはみなさんごぞんじだと思います。虫歯になると歯が痛みますよね。神経を取った歯はどうなるのでしょう。このことには案外気にかけている、あるいは正しく理解できている人は少ないのではないでしょうか。神経を取ると同時に血管もとりますので、歯は死んでしまいます。歯が死ぬとどうなるのでしょうか。枯れ木と同じでもろくなり、割れやすくなります。また、そのままにしておくと腐ってきます。そこで腐らないように消毒して防腐剤をつめる作業をします。その後割れないようにかぶせにします。説明するだけでは簡単な作業のようですが、消毒と防腐剤をつめる作業がなかなかたいへんで、術者の技術により大きな差がでてしまいます。歯のなかに針のような道具を入れて治療するのですが、根の中には神経の入っている穴が前歯で1本、奥歯になると3~4本もあります。また、その穴は長さがまちまちで、それぞれ正確な長さを測りながらの作業ですので手間がかかります。奥歯では指も入れにくいので長時間大きく口を開けていなくてはならないので患者さんは大変です。しかしこの作業いかんによって歯の寿命が決まるといっても過言ではありません。回数がかかる治療ですが歯の寿命を延ばすためですので、少しがまんしてください。

 

なぜ歯科治療は時間がかかるのか? その2

歯を長持ちさせるには歯を支えている回りの環境も健康でなくてはなりません。砂上の楼閣ではありませんが、歯をささえる骨や、はぐきが弱ってくるといくら健康な歯でもだめになります。歯周病(歯槽膿漏)がこわいのは健康な歯が簡単に抜け落ちてしまうことです。歯周病の発病年齢は年々下がってきており、最近では30歳ぐらいから発病しはじめるようです。治療としては、ブラッシング、歯石取り、などです。一番軽度の歯肉炎ではブラッシングでほとんど治ってしまいます。軽度の歯周病ではブラッシングと歯石取りで、中程度にまで進行してしまうと歯を支えている骨が溶けはじめますので、徹底的に歯の大掃除をします。しかしここまで症状が進んでしまいますと、もとの状態にはもどりません。歯石もかなりの量がついていますので取るのもなかなか大変で時間がかかり、結構不快な作業です。何十年も歯石を溜め込んでいる人もなかにはあります。重度の歯周病になると、ほとんど歯を支えている骨がなくなってしまいますので、歯がぐらぐらになり、硬いものでなくても咬めなくなってきます。こうなってしまうと手遅れで、抜歯になることが多いです。定期健診を受けている方は歯周病のデータ(進行の度合いを数字で記録する)が残りますので、悪化した場合でも早めの治療が可能になります。気になる方はぜひとも定期健診で歯周病の検査を受けることをおすすめします。

 

なぜ歯科治療は時間がかかるのか? その1

内科や耳鼻科などと違い、歯科の場合1本の歯でも複数の治療、はぐき、根の消毒、などが完全にできていないとすぐにトラブルが発生します。たとえ1本の歯でもまわりの歯の環境が悪ければ良くなりません。‘木を見て森を見ず’となりかねません。少しでも長期間自分の歯で食べたいならば、全体のバランスのとれた治療と定期的なメンテナンスをお勧めします。えらそうなことをならべていますが、実は当院でもメンテナンスを導入したのはつい4~5年前のことで、最初は手探りでした。ほんとうに6ヶ月のリコールに応じてもらえるのか、ぜんぜん自信がありませんでした。ところが2、3回むりやり?リコールにきていただいたある患者さんから、最近調子がいいので6ヶ月を3ヶ月にしてもらえないか、との申出がありました。その後、同じような声をひんぱんに聞くようになり、現在のシステムに発展しました。症状によって違いますが、6ヶ月から1年ぐらいのリコールを続けている人はあまり長期間の治療になることは少ないですね。

 

自己血液製剤について

最近、自分の血液に含まれる傷口を治すホルモンを濃縮し、手術に応用する方法が開発されました。自分の血液が材料ですから感染やウイルスの危険性がなく、傷口の治りがはやくなり、痛みや腫れも抑えられるすぐれものです。
 
血液には、赤血球、白血球、血小板などが含まれています。特に血小板には「血を止める」「傷口を治す」などの作用があります。ただ、血液中にはわずかしか含まれていませんので、濃縮して使用します。10ccほどの採血で1ccぐらい作れます。

以前は骨を作る場合、人骨(アメリカ人産?)や牛、馬、ブタ、人工骨、自家骨(自分の骨)などが使われてきました。最近は、感染の問題やウイルスのこともあり、自家骨や、化学合成された人工骨やさんご、海草が原料のものなど、より安全な材料に変わっています。

自分の骨が一番ですが、大量に取るとなると大変なことになります。できるだけ手術のダメージを無くそうとするには、この血液製剤を使用すると良いと思います。あまり効かないから、科学的根拠に乏しいから、と否定的な意見もあります。ただし、整形外科のやけどの治療や、傷口(軟組織)の治療では著しい成果をあげているのも事実です。危険性がなく、すこしでも効果が期待できるのであれば積極的に使用してもいいと思います。自院で使用しはじめて3年ほどになりますが、いい結果はでていると思います。

 

金属アレルギー

最近、金属アレルギーの患者さんが増えてきました。特に中高年以上の方に多く見られます。指輪やネックレス、時計などの金属製品を身につけて、汗をかくとでてくるようです。
歯科では、詰め物、入れ歯、かぶせ、などに金属を使用しています。アレルギーの原因(アレルゲン)には、ほぼすべての物質がなりうる可能性がありますので、原因を特定するのが非常に難しいです。なぜ、何十年もの間無症状で急に発症するのでしょうか。

簡単に説明しますと、人それぞれに抵抗力をもっており、病気になりやすい人、元気な人様々です。アレルギーに関しては、水をバケツにいれるようなもので、バケツ(病気に対する許容力)にアレレゲンが蓄積していきますが、満タンになりますとあふれてしまいます。この時点で初めて症状がでてきます。満タンになるまでは、ぜんぜん問題ありませんが、満タンになった後は1滴でも入るとあふれてしまいます。バケツの大きさは個人差があり、大きい人は問題ありませんが小さい人はすぐに満タンになります。

歯科で使用する主な金属は 金、白金、銀、水銀、パラジゥム、ニッケル、コバルト、などです。このうちアレルゲンになりやすいものは、水銀、銀、パラジゥム、ニッケル、コバルトなどです。保険治療の金属は、かぶせや詰め物は金と銀とパラジゥムの合金、入れ歯はバネ(クラスプ)にニッケル、コバルトの合金を使用しています。これらの金属がアレルゲンになっていることが多いです。

以前はアマルガムと言う水銀とすずの合金を多用していましたが、やはり水銀を体に入れるのは問題がありますので最近ではほとんど見かけなくなりました。10年以上前の治療では結構ありますね。真っ黒に変色していますので見ればわかると思います。

あとは銀とパラジゥムですがこれは保険の金属にすべてと言っていいぐらいに入っています。一度アレルギーになってしまうとなかなか治りませんし、口の中の金属をすべて交換するのは大変です。費用も期間もかかってしまいます。最近ですとアレルギーフリーの金合金や、チタン、セラミック、入れ歯のバネも白い樹脂などで対応しています。

特に予防策はありませんが、アレルギー体質の方はアマルガム(水銀とスズの合金)ぐらいは変えておいたほうが良いかもしれません。大人のひどいアトピー症状の人は平均的な人と比較して、虫歯の本数が多く、また根が腐って病気がある場合が多いとの報告があります。虫歯の治療をきちっとしたらアトピーが軽減することも報告されています。

 

こわい

今回はなぜ歯医者がこわいのかについて話してみたいと思います。最大の原因は“歯科に行くと痛いことをされる”という点にあります。(たまに、高い治療費を請求されるので、と言う人もいますが) 最近は麻酔注射の前に表面麻酔をして、“チクリ”を軽減したり、電動の注射器を使用したりと歯医者も少し?は努力しているつもりです。しかし、口腔という非常に頭部(脳)に近い場所にある関係上、どうしても痛みを感じやすくなってしまいます。また、痛みを限界まで我慢して来院された場合には、神経が興奮状態ですので、麻酔も鎮痛剤もあまり効きません。とりあえず、鎮静処置をしてから、本格的な治療になります。病気すべてについて言えることですが、必ず“前駆症状(まえぶれ)”があります。

虫歯ですと甘い物か、冷たい物がしみる、歯周病ですと歯茎から出血する、むずがゆい、口臭がしだした、などです。これらの症状を感じたらまず、受診して検査をしてみると良いと思います。この前ぶれを我慢していると、ある日突然“歯茎がはれた” “痛くて昨夜はねむれなかった”ということになります。歯科にかぎりませんが、早め早めの受診が痛みを最小限にするヒケツではないでしょうか。次に“キーーン”という音。これは、エアータービンというドリルの音です。圧縮空気でタービン(車のターボと同じ)を回転させて、20~30万回転で歯を削ります。歯の表面は非常に硬く、ダイアモンドを付けたドリルでないと削れません。この音は昔も今もあまり変わっていませんね。これからもあまり変わらないと思います。残念ですが。一時期、レーザーで歯を削るとか、薬で虫歯を溶解する方法もありましたが、問題点も多く、最近ではあまり注目されていませんね。そのかわりといってはなんですが、歯を削る量がものすごく減ってきています。昔は予防的に大きく、多めに削って、と言われてきましたが、最近はなるべく小さく、コンパクトになってきました。昔よく使ったドリルと最近のドリルの写真です。大きさがだいぶ違います。

 

歯科医になって長い間感じていることですが

歯科医になって長い間感じていることですが、医科に関する情報は過剰ぎみですが、歯科の情報はあまり発信されていない様に思います。そこで、コラムの枠を作り、少しでも歯科に対する疑問をなくしていただこうと思います。今回は歯科に対するイメージについてひと言。

歯科のイメージは、こわい、いたい、たかいこの3つです。これは歯科の情報や知識不足によるものではないでしょうか。ほとんどの患者さんが、痛みをがまんしてしかたなしに来院することが多いですね。気持ちはわかりますが、もう少し早めに治療していれば何とかなったのに!と思うことが多々あります。患者さんだけが悪いのではなく、歯医者も虫歯も無いのに何で来院したのか?と怒る先生もいるようです。これは日本の保健制度で、削ってつめる事に対して治療費用が請求できるからです。

体の中で自然に再生しない組織はエナメル質(歯の表面をカバーしている体で最も硬い組織)だけです。また、歯の抜ける最大の原因は歯周病です。これほど原因と結果のはっきりしている病気もめずらしいと思います。できるだけ長い期間、自分の歯で噛めるように少しだけですが、お手伝いできればと思っています。